身体が思うように動かないのはなぜ?脳と身体の情報伝達から考える「動きにくさ」
EJバランス
「前より身体が動かしにくくなった気がする」
「思ったように身体が動かない」
「同じ動きをしているはずなのに、左右で違う感じがする」
そんなふうに感じることはありませんか?
身体が動かしにくいと感じると、
「筋肉が硬くなったからかな?」
「筋力が落ちたのかな?」
と考える方も多いかもしれません。
もちろん、筋肉の状態は身体の動きに関係しています。
ただ、私たちが身体を動かすためには、筋肉だけではなく、脳と身体の間で行われる情報のやり取りも大切です。
今回は、「身体が思うように動かない」という感覚を、少し違った視点から考えてみましょう。
身体を動かすには「動け」と命令するだけではない
私たちが身体を動かすとき、
「歩こう」
「腕を上げよう」
「立ち上がろう」
と脳から身体へ指令が出されます。
でも、それだけで動作が完成するわけではありません。
身体が動くと、
「今、腕はこの位置にある」
「足が床についている」
「身体が少し傾いている」
など、身体から脳へ情報が戻ってきます。
脳はその情報を受け取りながら、次の動きを調整しています。
つまり、
脳から身体へ指令を出す
↓
身体が動く
↓
身体から脳へ情報が戻る
↓
その情報をもとに次の動きを調整する
というやり取りが繰り返されているのです。
身体は「今どうなっているか」を感じながら動いています
例えば、目を閉じても自分の鼻を触ることができますよね。
腕をどこまで伸ばせば鼻に届くのか、目で確認していなくてもある程度分かります。
これは、筋肉や関節などから身体の位置や動きに関する情報が脳へ送られているためです。
私たちは普段、この情報を意識していません。
それでも脳は、身体から届くさまざまな情報を利用しながら、身体の動きを調整しています。
だからこそ、身体をスムーズに動かすためには、「動かす力」だけでなく「今の身体の状態を感じ取ること」も大切なのです。
「身体が硬い」だけが原因とは限りません
身体が動かしにくいとき、
「身体が硬いから動かない」
と思うことがあります。
もちろん、関節の動きが制限されていたり、筋肉の状態によって動きにくさが出たりすることはあります。
ただ、身体の動きには、それ以外にもさまざまな要素が関係しています。
例えば、
・関節がどのように動いているか
・身体の位置をどのように感じているか
・足裏からどんな情報が入っているか
・左右で動き方に違いがないか
・痛みや違和感をかばっていないか
・身体のバランスがどうなっているか
などです。
そのため、「動きにくい」という感覚だけを見て、原因をひとつに決めつけることはできません。
痛みがあると、身体の動き方も変わります
前回までのお話にもあったように、身体は痛い場所を無意識にかばうことがあります。
腰が痛ければ腰を動かさないようにする。
脚がつらければ反対側に体重をかける。
肩が痛ければ腕の使い方を変える。
このように、身体は痛みを避けるために動き方を変えることがあります。
すると、それまで自然にできていた動作が、
「なんとなくやりにくい」
「動きがぎこちない」
「左右で違う感じがする」
といった感覚につながることもあります。
つまり、身体の動きにくさを考えるときには、今の身体がどんな動き方を選んでいるのかを見ることも大切なのです。
身体の動きは、全身で作られています
例えば、「腕を上げる」という動作。
腕だけが動いているように見えますが、実際には肩や背中、背骨、骨盤など、身体のさまざまな部分が関係しています。
歩くときも同じです。
足だけではなく、膝、股関節、骨盤、背骨、上半身などが連動しながら動いています。
そのため、身体のどこか一部分の動きが変わると、別の場所が動きを補うことがあります。
「腕が上がりにくいから肩だけを見よう」
「歩きにくいから脚だけを見よう」
と考えるのではなく、身体全体がどのように動いているのかを見ることも大切です。
左右で動きが違うのは、必ず悪いこと?
身体を動かしていると、
「右と左で動き方が違う気がする」
と感じることがあります。
人の身体は、完全に左右対称というわけではありません。
利き手や普段の姿勢、生活習慣などによって、左右の使い方に違いが出ることもあります。
そのため、左右差があることだけで、すぐに「悪い状態」と判断する必要はありません。
大切なのは、
「その違いによって動きに困っているのか?」
「痛みや違和感があるのか?」
「身体に負担がかかっていないか?」
など、全体の状態を見ることです。
身体の特徴を知ることは、無理に左右を同じにすることとは違います。
「動きにくい」と感じたら、身体全体を見てみる
身体が思うように動かないときは、
「筋肉が硬いから」
「筋力が足りないから」
と、ひとつの理由だけで考えたくなるかもしれません。
でも、身体の動きには、
筋肉
関節
姿勢
バランス
痛みや違和感
身体から脳へ伝わる情報
など、さまざまな要素が関係しています。
だからこそ、
「どこが動きにくいのか?」
だけではなく、
「なぜ、その動きになっているのか?」
という視点を持つことが大切です。
身体の「動きにくさ」には、身体からのサインが隠れていることも
身体が思うように動かないとき、それは単純に「身体が硬くなった」ということだけではないかもしれません。
痛みをかばっているのかもしれない。
いつもと違う身体の使い方をしているのかもしれない。
関節の動きが変わっているのかもしれない。
身体のバランスが変化しているのかもしれない。
こうした変化をひとつひとつ見ていくことで、今の身体の状態を知るきっかけになることがあります。
当店では、気になる部分だけを見るのではなく、関節の動きや姿勢、身体全体のバランス、動き方なども確認しながら、お身体の状態を見ていきます。
「最近、身体が動かしにくい」
「以前できていた動きがやりづらい」
「左右で動き方が違う気がする」
そんなときは、単に「歳のせい」「身体が硬いから」と片付けず、ご自身の身体の動きを一度ゆっくり観察してみてください。
身体は、動きながら情報を集めています
私たちが身体を動かすたびに、脳と身体の間ではたくさんの情報がやり取りされています。
身体を動かす。
その動きを感じ取る。
脳が情報を受け取る。
そして、次の動きを調整する。
この繰り返しによって、私たちは毎日の動作を行っています。
だからこそ、身体の動きにくさを考えるときには、筋肉だけではなく、脳と身体の情報のやり取りにも目を向けることが大切です。
「身体が思うように動かない」
そんな小さな変化も、ご自身の身体を知るきっかけになるかもしれません(^^)

