関節は「曲げ伸ばし」するだけじゃない?身体を動かす関節の役割
十河良実
「関節」と聞くと、どんなものを思い浮かべますか?
肩や肘、膝、股関節など、身体を曲げたり伸ばしたりする場所を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
もちろん、関節には身体を動かすための大切な役割があります。
でも実は、関節の役割は**「身体を曲げ伸ばしすること」だけではありません。**
私たちが身体をスムーズに動かせるのは、関節が動いているからだけではなく、身体のさまざまな場所から情報を受け取りながら、動きを調整しているからなのです。
私たちは「見なくても」身体を動かせる
例えば、目を閉じた状態で腕を曲げてみてください。
今、肘がどれくらい曲がっているのか。
腕が身体のどの位置にあるのか。
毎回目で確認しなくても、なんとなく分かりますよね。
歩いているときも同じです。
「今、膝がどれくらい曲がっているか」
「足がどこにあるか」
「身体がどちらに傾いているか」
いちいち目で確認しなくても、私たちは身体を動かすことができます。
これは、身体がさまざまな場所から情報を受け取り、その情報をもとに動きを調整しているからです。
関節は「身体を動かす場所」であると同時に「情報を受け取る場所」
身体を動かすとき、脳はただ「動け!」と命令しているわけではありません。
身体の位置や動きに関する情報を受け取りながら、
「今、身体はどんな状態なのか」
「どのくらい動いているのか」
「次にどう動けばいいのか」
という判断をしています。
関節の周辺にも、こうした身体の位置や動きに関する情報を感じ取る仕組みがあります。
だから関節は、単なる「骨と骨のつなぎ目」ではなく、身体の動きを考えるうえで重要な場所でもあるのです。
関節がスムーズに動かないと、身体はどうする?
では、もし本来動くはずの関節が動きにくくなっていたらどうでしょう?
身体は、そのまま動けなくなってしまうとは限りません。
私たちの身体には、動きにくい部分があれば、別の場所を使って動きを補おうとする働きがあります。
例えば、
「肩が動かしにくいから、背中を一緒に動かす」
「股関節が動きにくいから、腰を大きく動かす」
といったように、本来とは違う動き方をすることがあります。
その場では問題なく動けているように感じても、こうした動きが繰り返されることで、特定の場所に負担が集中することもあります。
「ここがつらい」だけでは分からないことも
身体の不調があると、その場所をどうにかしたくなりますよね。
肩がつらければ肩をほぐす。
腰が気になれば腰をケアする。
脚が重ければ脚をケアする。
もちろん、それも大切なことです。
でも、もしその場所が「頑張って動きを補っている場所」だったとしたら?
そこだけを繰り返しケアしても、身体の使い方そのものが変わらなければ、また同じところが気になってしまうことがあります。
だからこそ、
「つらい場所は、なぜそこに負担が集まっているんだろう?」
という視点が大切になります。
年齢だけが原因とは限りません
「昔より身体が動かしにくくなった」
「年齢のせいかな」
と感じることもあると思います。
もちろん、年齢による身体の変化はあります。
でも、身体の動きにくさをすべて年齢だけで片づける必要はありません。
普段の姿勢や身体の使い方、運動習慣などによっても、身体の動き方は変わります。
そして、その動き方には関節がどのように動いているかということも関係しています。
身体を整えるなら「動き」から見ることも大切
身体のことを考えるとき、筋肉や姿勢に目が向きやすいですが、関節の動きにも目を向けてみると、今までとは違った身体の見方ができるかもしれません。
「どこの筋肉が硬いのか?」
だけではなく、
「なぜこの筋肉が頑張っているんだろう?」
「身体はどうやってこの動きを作っているんだろう?」
と考えていく。
すると、身体の一部分ではなく、全身の動きのつながりが見えてきます。
当店でも、気になる場所だけを見るのではなく、お身体全体のバランスや関節の動きにも目を向けながら施術を行っています。
関節は、ただ身体を曲げ伸ばしするための場所ではありません。
身体が今どこにあって、どう動いているのか。
その情報をもとに、私たちは無意識のうちに身体の動きを調整しています。
では、その「身体の位置や動きを感じ取る仕組み」は、具体的にどのようなものなのでしょうか?
ここを知っていくと、身体の動きについて、さらに面白いことが見えてきます。

