身体のセンサーとは?脳と身体の動きをつなぐ大切な仕組み
EJバランス
前回は、痛みがある場所を身体が無意識にかばい、その結果として身体の動き方が変わることについてお話ししました。
では、私たちはそもそも、どうやって
「身体が今どこにあるのか」
「どこが動いているのか」
「身体がどちらに傾いているのか」
を感じ取っているのでしょうか?
実は私たちの身体には、身体の状態や動きを感じ取り、その情報を脳へ伝える仕組みがあります。
今回は、そんな**「身体のセンサー」**について、分かりやすくお話しします。
身体にはたくさんの「センサー」がある
私たちの身体は、ただ筋肉を動かしているだけではありません。
身体のさまざまな場所から、脳へたくさんの情報が送られています。
例えば、
・目から入ってくる情報
・耳から入ってくる情報
・足裏から伝わる感覚
・皮膚から伝わる感覚
・筋肉から伝わる情報
・関節から伝わる情報
などです。
脳はこうした情報を受け取りながら、
「今、身体はどんな状態なのか」
「身体はどこにあるのか」
「どう動けばいいのか」
を判断しています。
つまり、身体をスムーズに動かすためには、筋肉の働きだけではなく、身体から脳へ正しく情報が伝わることも大切なのです。
目を閉じても身体を動かせるのはなぜ?
例えば、目を閉じて腕を上げてみてください。
目で腕を確認していなくても、
「腕が上がっている」
「肘が曲がっている」
「手がこの辺りにある」
ということが、ある程度分かりますよね。
では、なぜ見えていないのに身体の位置が分かるのでしょうか?
それは、筋肉や関節などから、身体の位置や動きに関する情報が脳へ送られているからです。
私たちは普段、この情報をほとんど意識していません。
それでも身体は、こうした情報を利用しながら自然に動いています。
関節や筋肉からも情報が伝わっています
「関節」と聞くと、身体を曲げたり伸ばしたりするための場所というイメージが強いかもしれません。
もちろん、それも関節の大切な役割です。
しかし、身体の動きを考えるときには、それだけではありません。
関節がどの位置にあるのか。
どの方向へ動いているのか。
身体がどのくらい動いているのか。
そうした情報も、脳が身体の状態を把握するための手がかりになります。
筋肉からも、筋肉がどのように働いているのかという情報が脳へ送られています。
つまり、関節や筋肉は「身体を動かすため」だけではなく、「身体の状態を知るため」にも関わっているのです。
身体を動かすとき、脳はたくさんの情報を使っている
私たちが歩くときも、身体の中ではたくさんの情報がやり取りされています。
足が床についた感覚。
足首や膝、股関節の動き。
身体の傾き。
目から入ってくる周囲の情報。
こうした情報を脳が受け取りながら、身体は次の動きを調整しています。
例えば、歩いている途中に段差があれば、無意識に足を上げる高さを変えます。
床が不安定なら、身体のバランスを調整します。
人や物を避けるときには、身体の向きや歩く方向を変えます。
こうした細かな動きを自然に行えるのも、身体から脳へ送られる情報があるからです。
「感じ取る」ことが、身体の動きにつながっている
身体を動かすというと、
「脳が命令して、筋肉が動く」
というイメージを持つかもしれません。
もちろん、それも身体の動きの大切な部分です。
ただ、実際には一方通行ではありません。
身体から脳へ情報が送られ、
脳がその情報をもとに判断し、
身体へ指令を出す。
そして身体が動くと、また新しい情報が脳へ送られる。
このようなやり取りが繰り返されています。
つまり、
「感じ取る → 脳が判断する → 身体が動く → また感じ取る」
という循環が、私たちの身体の中で常に行われているのです。
身体の動きが変わると、情報の伝わり方も変わる?
では、身体の動き方が変わったらどうなるのでしょうか?
例えば、痛い場所をかばって動いているとします。
腰が痛くて腰をあまり動かさない。
右脚がつらくて左脚に体重をかける。
肩が痛くて反対側を多く使う。
このように動き方が変われば、当然、身体の各部分から脳へ送られる情報も変わっていきます。
その状態が続けば、身体全体の使い方にも変化が出てくることがあります。
だからこそ、身体の不調を考えるときには、
「どこが硬いのか?」
「どこが痛いのか?」
だけではなく、
「身体全体が今、どのように動いているのか?」
を見ることも大切なのです。
バランスや姿勢にも「身体のセンサー」が関係しています
身体のセンサーから得られる情報は、身体を動かすことだけではありません。
立っているときの姿勢や、身体のバランスにも関係しています。
例えば、立っているときには、
「足裏のどこに体重がかかっているのか」
「身体が前後左右のどちらに傾いているのか」
「関節がどの位置にあるのか」
など、さまざまな情報が脳へ送られています。
脳はその情報をもとに、身体のバランスを保つための調整を行っています。
だからこそ、姿勢やバランスを考えるときにも、筋肉だけを見るのではなく、身体から脳へ伝わっている情報という視点が大切になります。
「身体が動かしにくい=筋力不足」とは限りません
身体を動かしにくいと感じると、
「筋力が落ちたのかな?」
と思うこともありますよね。
もちろん筋肉の働きは大切です。
ただ、身体をスムーズに動かすためには、
筋肉が働くことだけでなく、
・身体の位置を感じ取ること
・関節の動きを感じ取ること
・足裏などから情報を受け取ること
・目や耳から周囲の情報を受け取ること
・それらの情報を脳が整理すること
など、さまざまな要素が関係しています。
そのため、身体の動きを考えるときには、**「筋肉が強いか弱いか」だけではなく、「身体からどんな情報が脳へ伝わっているのか」**という視点も大切なのです。
身体を整えるときも「情報」に目を向ける
身体に不調を感じると、
「痛いところをほぐそう」
「硬いところを柔らかくしよう」
と考えることがあります。
もちろん、それも身体を見るうえでのひとつの方法です。
でも、そこからもう一歩進んで、
「身体は今、どんな情報を受け取っているんだろう?」
「関節はどのように動いているんだろう?」
「身体全体のバランスはどうなっているんだろう?」
と考えてみると、身体の見え方が変わることがあります。
当店では、筋肉だけに注目するのではなく、関節の動きや姿勢、身体全体のバランスなどにも目を向けながら、お身体の状態を確認しています。
身体は、たくさんの情報を使って動いている
歩く、立つ、座る、手を伸ばす。
私たちが何気なく行っている動作も、その裏側では身体から脳へたくさんの情報が送られています。
そして脳は、その情報をもとに身体の状態を判断し、必要に応じて動きを調整しています。
身体には、私たちが普段意識していないところで働いている、たくさんの「センサー」があるのです。
だからこそ、
「身体を動かす」ということは、単純に筋肉を動かすことだけではありません。
感じ取る。
情報を伝える。
脳が判断する。
そして身体が動く。
こうしたやり取りが繰り返されることで、私たちは毎日の生活の中で自然に身体を動かしています。
身体のことを知っていくと、
「ただ立っているだけでも、身体はこんなにたくさんの情報を使っているんだ!」
と、少し面白く感じませんか?(^^)
身体の動きや姿勢、バランスが気になるときは、筋肉だけを見るのではなく、身体全体から脳へ伝わる情報にも目を向けてみてください。
身体の仕組みを知ることは、ご自身の身体を知ることにもつながっていきます。

